第4回 辺境で地球と一体になる

 俳優としての仕事でもそうですが、今いるところに安住したくないという気持ちがあります。

 人間は、年を経るとともに挑戦しなくなる。経験値を生かして楽をしようとする。そういう生きものですから、それはそれでしかたない。

 でも、次のステージに自分を高めていきたいと思ったら、おっしゃるように、そのための状況を自分でつくっていかなければならないと思うのです。誰かがつくってくれるものではないですからね。

――さて、地球探訪の次のステージとして、北極の次はどちらへ。

 僕は冒険家じゃないですよ。それっぽく見られているのかな(笑)。

 ただ、テレビドキュメンタリーなどで、僕が辺境を訪ねることには意味があると思っています。

 僕が行くことで、その大自然は視聴者にとって未知のものではなくなる。同じ地球上に存在していて、そちらが本来の地球の姿だと認識されるようになればうれしい。

 たとえば極地など、誰もが行ける場所ではないですからね。テレビを通してであっても、住んでいる星のことを見て感じてほしい。

 都市でも、そこで必死に生きる人間の姿はあるけれど、それだけに目を向けていたのでは、生きものとしてさびしいと僕は思う。

 都市の生活とともにある地球の美しさ、厳しさ、豊かさに、番組を通じて共感してもらえれば、僕はそれで満足です。

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おわり

大沢たかお(おおさわ たかお)

1968年、東京都生まれ。俳優。「解夏」(2004)、「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004)、「地下鉄(メトロ)に乗って」(2006)、「GOEMON」(2009) をはじめ、多数の映画に出演するほか、シェークスピア劇などの舞台、「劇的紀行 深夜特急」(1996~1998)、「JIN-仁」(2009、2011)、「火怨・北の英雄 アテルイ伝」(2013)といったテレビドラマなど、さまざまな方面で活躍中。また、ドキュメンタリーではギアナ高地やアフリカを訪れたことがあり、2012年にはNHKとBBCの共同制作シリーズ「フローズン プラネット」のナビゲーターとして、実際に南極大陸を旅した。2013年4月26日から公開される映画「藁の楯(わらのたて)」では、殺人犯を移送するチームのリーダー役を主演する。


高橋盛男(たかはし もりお)

1957年、新潟県生まれ。フリーランスライター。自動車専門誌の編集を手がけたのちフリーライターに。JR東日本新幹線車内誌「トランヴェール」、プレジデント社「プレジデント」「プレジデントファミリー」などに執筆。