第33話 子犬たちと反省……、ドタバタ最後の漁。

 私は、スティーブの言葉に頷いた。

 生まれながら森に暮らし、橇犬を移動手段にしてきたスティーブは、どこか自然で優しい考え方をする。

 そのことに、私はとても共感していた。

 船を走らせて、風を切るようになると、子犬たちも、あまりの風の冷たさに、ボートの縁に身を潜めるようにうずくまった。

 今の子犬たちにとっては、なにもかもが新しいことばかりで、見ること、やること、すべて戸惑いを感じるだろう。

 けれど、こういう経験値が、優秀な橇犬をつくるのかもしれない。

 漁場に到着すると、さっそく私たちは網を上げた。

 漁網の損傷が多く見られたために、スティーブは、今期の漁も、これが最後だと言った。

 そうならば、たくさん魚がかかっているといいな……。私は願いを込めて、網をたぐった。

 大きなパイクがかかっていて、どさりと足元に落とした。

 子犬たちが興味深そうに近寄ってきて、恐る恐る臭いを嗅いでいる。