第3回 手造りの舟でインドネシアから日本へ

後に手造り舟「縄文号」となるビヌワンの巨木。高さは54メートル。(提供:関野吉晴)(写真クリックで拡大)

 グレートジャーニーの旅のゴールである、ラエトリ(タンザニア、360万年前の2足歩行足跡化石がある)に着くまでに、世界中の辺境と呼ばれる地域を歩いてきた。旅の日数は5000日を超える。

 しかし外国ばかり歩いていて、自分の足元を見てこなかったことに気付いた。生まれたところ、住んでいるところがどんなところなのか。外国では日本について質問されることも多かったが、正確に伝えられない自分がいた。そこで私は国内を歩き始めた。同時に、日本列島にたどり着いた私たち日本人の祖先の足跡をたどる計画を立てた。

 4万年前の後期旧石器時代以降、グレートジャーニーの旅路から枝分かれするようにして、日本列島にはさまざまな地域から人類が入って来た。その中で、主要なコースを3つに決め、2004年からたどり始めた。シベリアからサハリンを経由し、北海道に至る「北方ルート」。中国から直接、あるいは台湾、朝鮮半島経由の「中央ルート」。この2つのルートは以前と同じように自分の腕力と脚力だけで踏破し、2008年に終えた。