- APRIL 2013 -

剥製一筋50年の男

 写真は1947年、オオカミの剥製をつくるウィリアム・ブラウン。剥製師としての彼の最初の仕事の一つは、このオオカミをはじめ、1909年にセオドア・ルーズベルト元米大統領がアフリカ遠征から持ち帰った動物たちを剥製にすることだった。


 ブラウンは、ワシントンD.C.にあるスミソニアン国立自然史博物館の剥製師として51年間働き、およそ考えうるすべての動物を剥製にした。なかでも彼のお気に入りは、今も同博物館に展示されているカバ。ロシア人の皮なめし職人が、カバの皮を噛んでやわらかくしたという自慢の一品だ。


 「当時ぼくは40歳くらいで、剥製師として油がのりきっていた。カバの剥製づくりに成功したのはぼくが初めてだったし、たぶんこれからもそうだろう」と、ブラウンは書き残している。

文=ジョナ・リッツォ

写真=B. Anthony Stewart, National Geographic Stock