File4 しんかい6500パイロットチーム

第3回 私はこうしてパイロットになりました

「しんかい6500」コパイロットの池田瞳さん。(写真クリックで拡大)

 イカが好き?
 それはきっと、取材陣が、スーパーの鮮魚売り場で思うこととは、ちょっと違いますよね?

「中学、高校生の頃、ダイオウイカに会いたいと思っていました」

 おお、ダイオウイカ。大きなものは20メートルを超えると言われながら、目撃情報がほとんどなかった巨大イカ。
 先日、NHKスペシャルで放送されていました。初めて、その姿を動画で撮影したと。

「そうなんです。なので、先を越されたね、と周りからずいぶん言われました」

ダイオウイカに会いたくて


 ダイオウイカに会いたいという思いから、ここまで、どんな道を歩んできたんですか。

「日本でダイオウイカの研究ができるところは、その番組にも出ていた、国立科学博物館の窪寺恒己先生のところくらいしかないんです」

 狭き門、というわけですね。

「でも、研究者になるのは無理でも、深海に潜る有人船を操縦する人になれば、ダイオウイカに会えるかも知れないと思っていました」

 ただ、それまでに、日本に女性の深海調査船パイロットはいない。
 大学では、スルメイカの飼育実験などを行った。

「ダイオウイカに比べると小さくても、いっか、と(笑)。スルメイカと過ごす実験は十分に楽しく、幸せな大学時代でした」

 その頃にはもちろん、JAMSTECのことは知っていて、しんかい6500に乗るのは、研究者はひとりでも、パイロットはふたりとも知っていた。
 JAMSTECの広報誌『Blue Earth』も読んでいた。

「そのなかで、当時のJAMSTECの海洋工学センター長が『これからは女性パイロットがいてもいい』というようなことを書いていたんです。それを読んで、まだ女性パイロットがいないからこそ、機械や電気を勉強してきたわけでもない、不適任な私でも『本当になれるかも』と思いました」