ぶおおおおお。

 まるで、大巨人が鼻をかんでいるような音が聞こえてきて、ベニヤ小屋で寝ていた私はベッドから起きだして、ブルブルと震えながら、窓の外を見た。

 空は薄い雲に覆われ、青い部分が一切ない。

 時々、突風が吹きぬけて、木々を倒さんばかりに暴れている。

 周りに立つアスペンの木は、ひょろひょろと細く高く伸びているので、まるで鞭を振るうようにブンブンと揺れていて、本当に折れて倒れてしまうのではと心配した。

 そろそろ起きる時間でもあったので、防寒服を着て、ドッグヤードの犬たちの様子を見にいくと、彼らはみんな、犬小屋の中に入って丸くなっていた。

 外に置きっぱなしの餌皿は、風に飛ばされて、あちこちでコロコロと転がり、たまに、ドン、ガランと小屋にぶつかるものだから、犬たちが、怯えていた。

 葉が落ちて枝だけになった木々の間を抜ける風というのは、それはもう恐ろしい音でびゅうびゅうと鳴り、私でさえも、なんだか不気味で早く、家の中に戻りたいくらいだった。

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