第32話 春一番ならぬ、冬一番。猟犬ならぬ、漁犬の誕生?

「あれ? この子犬たち、どうするの?」私は尋ねた。
「漁に連れて行くんだよ」
「漁に?」
「そうだよ」
「なぜ?」
「子犬のトレーニングさ」
「???」
「猟だったら合点がいくけど、漁なのに?」
「そうだよ」
 スティーブはリバーボートのところまで子犬たちを連れてくると、
「ゲッイン!(乗れ!)」
 と指示を出した。
「えええ? ど~いうこと?」
 私は、首を傾げた。
「これって、猟犬ならぬ、漁犬???」

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つづく

廣川まさき

廣川まさき(ひろかわ まさき)

ノンフィクションライター。1972年富山県生まれ。岐阜女子大学卒。2003年、アラスカ・ユーコン川約1500キロを単独カヌーで下り、その旅を記録した著書『ウーマンアローン』で2004年第2回開高健ノンフィクション賞を受賞。近著は『私の名はナルヴァルック』(集英社)。Webナショジオでのこれまでの連載は「今日も牧場にすったもんだの風が吹く」公式サイトhttp://web.hirokawamasaki.com/