第2回 グレートジャーニーで「闇」の大切さを知る

ヤノマミの少女、祭りの装い。1990年(提供:関野吉晴)(写真クリックで拡大)

 1971年から20年間、ひたすら南米ばかりを歩いてきた。南米の特徴はその多様性だ。世界で一番広い流域面積をもったアマゾン。高さではヒマラヤにかなわないが世界で一番長い山脈であるアンデス山脈。西海岸には砂漠が続き、アルゼンチンの南にはパンパ(草原地帯)が広がる。その南には世界最大の山岳氷河を持つパタゴニアがある

 自然だけでなく人も多様だった。先祖が1万年以上前にこの地にやって来た先住民。そのあとヨーロッパから征服者がやって来て、彼らがアフリカから黒人奴隷を連れてきた。北米にやって来たピューリタンは、先住民や黒人奴隷と滅多に混血しなかった。しかし南米にやって来たラテン系のカトリックのスペイン人、ポルトガル人、イタリア人は、混血は神の関することではないと言って盛んに混血を繰り返した。混血も先住民、白人、黒人のどの血が濃いかによって多様な人間模様ができる。文化も多彩になってくる。

 私は雄大な自然、美しい自然、この世とは思えない自然、心ときめかす自然を眺め、中に入っていった。しかし、次第に興味の対象はその土地に生きている人間になっていった。