第31話 憧れの有名人がやってきた!

 今もアラスカには、狩りや罠猟をして生計を立てている人たちが残っているけれど、その多くが独身男性であり、家族を連れていても、やはり森の生活の大黒柱になるのは、逞しい男性である。

 女性では、やはり、腕力のいる力仕事の多い森の生活においては、大変なことが多く、女性だけで、アラスカの森に生きるというのは、かなりの技術と知恵と、そして精神力がいることである。

 しかしながら彼女たちの暮らしは、厳しい原野にありながら、とても女性らしく、狩りで得た動物たちの皮で、帽子や手袋を縫い、骨や牙、角、爪などを使ってアクセサリーなども作っていて、そういったところが、私は好きだった。

 当然、私にとっては、憧れの存在だったのである。

 実は私は、この2人に会うのをとても楽しみにしていた。

 このロッジに来る前から、ミンチュミナ湖の対岸の森に2人が住んでいることを知っていたのだ。

 対岸と言っても、湖はとても大きく、遠く離れているので、遠い存在なのだけれど、湖が凍ったら、犬橇で湖を渡って会いに行きたいと思っていた。

 その憧れの姉妹が、突然にやって来たのだから、私はもう、びっくり、ひゃ~。……なのだった。

「さ、サインを!」ということはしないけれど、2人からはいろんなことを吸収したい。

 学ぶことの多い、森の先生である。