「一番眠気と連動してわかりやすいのは、チョイスリアクション、選択的な反応と言いまして、例えば2:8の割合で低い音と高い音を出して、高い音のときだけ即時にボタンを押すとかですね。あと、記憶関係、ワーキング・メモリーといって、例えば、3、2、4、7、8、7というふうに数字を次々と記憶していって、1つ前ですとか、2つ前の数字を押してもらう。いわば脳トレみたいなものですが、この世界では昔から使われています。こういった測定をすると、睡眠時間が短い人は顕著に反応が遅くなったり、間違いが多くなったりします」

 連続17時間起き続けていると、課題対応能力が酒気帯び運転レベル(血中アルコール濃度 0.05%)と同程度まで低くなるという報告もあるそうで、やはり、眠らないのは良くないことだ。あまりにも当たり前すぎるが。

 一方、眠り過ぎも何か悪そうである、と薄々気づいている人も多いかもしれない。

「なにかの事情で夜遅くなって、明け方に眠って、昼頃に1回目覚めても、何かもうちょっと眠りたくて、2度寝して、気づいたら夕方で、起きてからボーッとして、やっと目が覚めるのが深夜になってからで……また同じことの繰り返し、みたいなことを経験したことがある人は結構いると思うんです。睡眠慣性という言葉がありますが、結構これやっかいで、目覚めた後に残眠感がある。目覚め感がよくない、すっきりと目覚めない状態が続きます」

 眠りが浅くなったときにタイミング良く目覚めるといいのだが、2度寝をすると短めでも再び深めの睡眠が出てしまい、そこで起床すると睡眠慣性が生じるそうだ。長い昼寝からの目覚めが悪いのも同じ理屈。

 この話を聞いた時、ぼくはドキッとした。2度寝による睡眠慣性という言葉のリアリティたるや、かなり心当たるフシがある。

この連載の前回の
記事を見る