第11回 体内時計と睡眠習慣の関係がついに明らかに!

光の影響を差し引いた体内周期を測定できる実験室。(写真クリックで拡大)

「さすがに被験者をずっと暗闇の中に置くわけにもいかないので、15ルクスくらいの微弱な光で生活してもらい、なおかつその光の影響もうまく差し引けるような洗練された方法で最初の結果が出たのが1999年です。アメリカのハーバード大学での研究で、『サイエンス』という有名な雑誌に掲載されました。衝撃的な論文でした」

 その後、同じグループが何度か実験を繰り返し、日本では三島さんたちが同種の実験を行った。すると不思議なことに、体内時計の周期の平均の差が、アメリカでの結果とわずか1分! とほぼ一緒になった。さすがにここまで一致するのは偶然の要素があるのだろうが、アメリカ人でも、アジア人でもほとんど同じだったということは、人類の体内時計の周期がだいたい似たものであろうと示唆しているという。

測定装置の取り付け例。(写真クリックで拡大)

「洞窟での実験が始まった1960年代は、人間の体内時計は非常に周囲の影響を受けにくいと思われていたんです。その頃でもネズミなんかは薄暗がりの5ルクスとか10ルクスとかでも体内時計が動くと分かっていたので、常識で考えれば人間も影響を受けると思うんですが……。そして実際に、その後、だんだん人間の体内時計も光に影響されると分かってきました。まず、数千から1万ルクスのとても強い光で変化することが分かって、強目の家庭照明の1000ルクスでもしっかり当てれば動くと。それまでは、人間にとって大事なのは、社会的な同調、明日何時に起きようとセットした目覚まし時計ですとか、会社の出社時間ですとか、大脳皮質が絡むような刺激が最も大事で、光とか食事とかはあんまり影響ないって思われてたんです」

 ここは大切なことが2重になっていると思う。