2007年3月には、「原始地球におけるウルトラエッチキューブリンケージの実験室内再現」の目処がつきそうだった。でもようやく目処がたっただけの状態に過ぎず、これからバシバシ面白い成果が出てくるだろう手作り実験システムや異分野融合秘密結社を、「ハイ解散!」と終わらせてしまうわけにはいかなかった。そこで、ボクは末廣さんに一大博打を打ったんだ。

御用聞き組織のままでいいのか!

「JAMSTECの歴史上、最下層の研究者からボトムアップで創成された研究プロジェクトが、公認の研究組織になった例は皆無です。これはJAMSTECの暗黒の歴史です。世界に名だたる研究所が、単なる役所の御用聞き組織のままでいいのでしょうか。本来研究組織とは、その道の先導者たる研究者の自然発生的な発想や情熱に基づいた集合・共同・協調行動の中から生まれ出ずるべきモノでしょう。我々のウルトラエッチキューブリンケージ研究はまさしくそういう研究グループです。成果も順調にでています。これをハイ終了とか言ったらJAMSTEC末代までの恥になりますよ!」

末廣さんはいつもアポなしに突然理事室にフラリとやってきて言いたい事を言って「今日はこれぐらいにしといたるわ!」と吉本新喜劇の池乃めだか風に去って行くボクのことをずいぶん鬱陶しく思っていただろう。でもいつも「わかった。わかった。ナントカしてやるから」とテキトーな相槌を打っておきながら実際何回もナントカしてくれたんだ。

再び研究の半年間の延長を認めてくれた挙げ句に、さらに2007年6月には「JAMSTECバーチャルラボシステム」なる新規プロジェクト募集を準備してくれた。つまり、いろいろ役所との兼ね合いもあって、公には新しい研究組織を作るわけにはいかないが、バーチャルな研究組織なら内部で対応できるので、「自信があるならそれに応募してみろや、オラ」ということだったのだ。

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