第7話(最終話) 新たな「愛と青春の旅立ち」へ

その5  プレカンブリアンエコシステムラボ、誕生

そして「JAMSTECバーチャルラボシステム」提案のため、ウルトラエッチキューブリンケージ研究グループのメンバーが再びいつもの場所に集結し、作戦会議を開くことになった。今度はJAMSTECの別のグループで太古代環境の研究を行っていた山口耕生君(現在東邦大学理学部准教授)が加わった。

アストロバイオロジーを目指しましょう

山口耕生君は、アメリカで博士号を取得し、NASA Astrobiology Instituteという全米の大学や研究機関をバーチャルなネットワークで結びながら宇宙生物学という海のものとも山のものともつかない研究分野を推進する研究所にも所属しながら研究を行ってきた強者だった。

開口一番山口耕生君は、「このJAMSTECバーチャルラボシステムではウルトラエッチキューブリンケージ分野横断研究をさらに推し進めたアストロバイオロジーを目指しましょう」と切り出した。

アストロバイオロジー!! 確かにボクもアストロバイオロジーには興味があった。思い出せば、1994年に最初にワシントン大学海洋学部のジョン・バロスの研究室に留学したとき、実験室の扉にCosmomicrobiology Labというプレートが貼付けてあって、若かりしボクは「カッケー!なんてカッケー、ウホ!」と興奮したものだった。

そして思わず居眠りしたくなるようなうららかな昼下がりなどに、眠気覚ましのつもりかどうかわからないけれど、よくジョンが実験室にやってきて、「今はアストロバイオロジーって言うようになっているが、アメリカでは徐々にポピュラーになってきている研究分野なんだ。オレたちがやっている深海熱水の微生物の研究も立派なアストロバイオロジーの領域なんだよ」などと話してくれたっけ。