第7話(最終話) 新たな「愛と青春の旅立ち」へ

その5  プレカンブリアンエコシステムラボ、誕生

2006年10月には、ボクらの研究を半年間延長(しかも研究資金付き)する交渉に成功した。

JAMSTECプレカンブリアンエコシステムラボラトリー終身ラボヘッドからIODP-MIプレジデントに出向中の末廣潔氏(写真左)。さわやかなナイスミドルに見えて実はパワフルな男なのだ。恐ろしい男なのだ。でもこの人がいなかったら、プレカンラボはソッコー絶滅していただろう。
(提供:高井研)

当時のJAMSTECの研究担当理事は現在、統合国際深海掘削計画国際計画管理法人(IODP-MI)のプレジデントである(また歴史上唯一のプレカンブリアンエコシステムラボ終身ラボヘッドの称号が与えられている)末廣潔さんで、末廣さんはボクらのボトムアップ研究ゲリラ組織を、いつも表裏に渡って応援してくれていたのだった。とにかく、若い研究者たちが、一生懸命楽しそうに侃々諤々と研究を進められるようなJAMSTECにしたいという想いがストレートに伝わって来る人だった。

末廣さんは地震学者で、ボクらとの研究上の接点はほとんどない人だった。実際末廣さんが、ボクらの研究成果をJAMSTECの成果として表立って語る事もほとんど記憶にない。ただ新しく出た成果を話しに行くと、そんなに興味があるわけではないはずなのに、子供のように笑って「がんばってるねー」と声をかけてくれていた。それに研究資金だけでなく、酒盛りの資金をねだりに行くといつも「オレは行ってもいいの?」と参加してくれたんだ。

「この男!(パトロンとして)使える!」

ボクはある意味末廣さんに甘えっぱなしだった。