第8回 寝不足の子どもは多動や学習障害状態になる

 子どもの睡眠不足の問題から、実に大きな問題へとつながってしまった。

 とりあえず、子どもに議論を限定しても、注意欠陥・多動性障害や学習障害のような状態になるというのは驚きであると同時に重たい。最近の子どもはキレやすくなった、などという人たちがいるが、かりにそれが本当だとしても、「ゲームのやりすぎ」「ネットの影響」などと単一のスケープゴートを探すより、睡眠不足も含めて様々な要因が絡みあっていることを想定すべきだろう。世の中にあらわれる「現象」で、単一原因のものなどほとんどあり得ないのだから。そして、結局は何がどれだけ効いているか、そして、制御可能な要因はどれか、という問題に帰着するわけだから。

 ふたたび、「夜10時以降の就寝問題」に戻る。

「例えば、どんなに夜型の生活になって昼夜逆転しても、それはそれで体は対応できるんですね。でも、ほとんどの人は、朝、起きる時間に縛られてるから、結局、夜型になればなるほど寝不足になるわけです。今は子どももそれに巻き込まれてしまってるんですね。とりわけ就学前児童だと9時間以上、睡眠をとらなければならない。お母さんが朝早く出勤しなければならなくて、例えば7時に子どもに食事をさせるなら、夜の10時頃には就寝してなければ、基本的には寝不足になりますよね」

 つまり、調査にあった「午後10時に起きている子ども」というのは、ある意味でぎりぎりのライン上にいるわけだ。