第7回 “働くママ”の子の約半数が22時以降に寝るという事実

「日中の眠気が強い子どもたちが、自分で『眠いです』って言うと思いますか? 未就学児で食事しながら眠ってしまうというのは分かりやすいですが、眠りはしなくてもやっぱり影響はあるんです。アメリカなんかで、就学児についてよく指摘されてることですけれど、眠気を感じても、授業中は先生たちの目があるからそのままバタンキューって寝るわけにいかなくて、非常にいらだちが強くなる子がいる。それが、見かけ上、注意欠陥・多動児みたいな状態になることがあるんですね。また、一部は学習障害、しかも不思議なことに、特定の事象、例えば計算だけが非常にうまくいかなくなるとか。そのような精神症状になって出てくるものですから、この寝不足っていうのは侮れなくて、むしろ授業中に居眠りしてくれる子どものほうが、まだシンプルで分かりやすいかもしれません」

 単なる寝不足でも、注意欠陥・多動性障害や学習障害のような状態になる、という。話が突然大きくなったようで、正直、驚いた。慢性化したならば、睡眠不足に起因しつつも、紛らわしく区別できないこともあるのではないだろうか。

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つづく

三島和夫(みしま かずお)

1963年、秋田県生まれ。医学博士。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神生理研究部部長。脳病態統合イメージングセンター部長。1987年、秋田大学医学部医学科卒業。秋田大学医学部精神科学講座助手、同講師、同助教授を経て、2002年米国バージニア大学時間生物学研究センター、米国スタンフォード大学医学部睡眠研究センター客員助教授。2006年6月より現職。2010年4月より日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事、日本生物学的精神医学会評議員を務める。

川端裕人(かわばた ひろと)

1964年、兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。文筆家。小説作品に、少年たちの川をめぐる物語『川の名前』(ハヤカワ文庫JA)、感染症制圧の10日間を描いた小説『エピデミック』(角川文庫)、数学史上最大の難問に挑む少年少女を描いたファンタジー『算数宇宙の冒険・アリスメトリック!』(実業之日本社文庫)など。ノンフィクションに、自身の体験を元にした『PTA再活用論 ──悩ましき現実を超えて』(中公新書クラレ)、アメリカの動物園をめぐる『動物園にできること』(文春文庫)などがある。サッカー小説『銀河のワールドカップ』風のダンデライオン 銀河のワールドカップ ガールズ』(ともに集英社文庫)はNHKでアニメ化され、「銀河へキックオフ」として放送された。近著は、独特の生態系をもつニュージーランドを舞台に写真家のパパを追う旅に出る兄妹の冒険物語『12月の夏休み』(偕成社)、天気を「よむ」不思議な能力をもつ一族をめぐる、壮大な“気象科学エンタメ”小説『雲の王』(集英社)(『雲の王』特設サイトはこちら)。
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