File4 しんかい6500パイロットチーム

第1回 母船「よこすか」と潜水調査船「しんかい6500」

 今も、主推進器がひとつの、古い型のしんかい6500のプラモデル、売ってるんですよね、などとナショジオ編集部Y尾が言っている。なお、ライターK瀬はY尾のつくったしんかい6500のプラモデル(主推進器がふたつのタイプ)を見たことがあります。

主推進器と水平スラスタ(写真クリックで拡大)

 水平スラスタは、船体の前方と後方、計2箇所にある、横方向に貫通した穴に取り付けられた横を向いたプロペラである。これによって、船体を横移動させたり、その場で向きを変えたりする。

 しんかい6500には、もう1種類、スラスタがある。垂直スラスタだ。
 これは、船体の左右中央部に、縦に刺さった筒にプロペラが付いており、上下方向の運動制御に使われる。

 パイロットにもよるそうだが、小倉さんは、あまり自分ではリモコンを操作しない。つまりしんかい6500を直接は操縦しない。

「指示を出して、コパイに操作させることが多いです」

 コパイとはコパイロット、すなわち、副船長だ。

「自分で操作すると、指に力が入ってしまうというか、実際より回転数を上げてしまうような気がするので」

 指示は「前進100回転」など、モーターの毎分の回転数で出す。

 さて、定員3人のしんかい6500には、パイロットと、コパイロットが搭乗する。残りの席は1つ。そこに乗るのは誰かというと……。

「お客さんですね」

 つまり、主に研究者。
 パイロットたちの仕事は、お客さんの行きたいところへ、安心安全に送り迎えし、滞在先でのリクエストに応えることなのだ。

つづく

この記事は日経ビジネスオンラインとの共同企画です。
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片瀬京子(かたせ きょうこ)

1972年生まれ。東京都出身。98年に大学院を修了後、出版社に入社。雑誌編集部に勤務の後、09年よりフリー。共著書に『誰もやめない会社』(日経BP社)『ラジオ福島の300日』(毎日新聞社)など。