File4 しんかい6500パイロットチーム
第1回 母船「よこすか」と潜水調査船「しんかい6500」
「研究者が何かを見つけて、ストップをかけてからでは、遅いんです」
急には止まれない。
「バックもできますが、そうすると、視界に泥などが舞ってしまうので、できるだけバックはしないようにしています」
なるほど。気を遣いますね。
ゲームのコントローラのような操縦装置
そろそろ、しんかい6500はどうやって動かすのかを、教えていただけませんか。
ハンドルとアクセル、ブレーキですか?
それとも、飛行機のように、操縦桿があるんですか?
「これです」
ええ? なんです、この、カラオケのリモコンにケーブルがつながっているような、ゲームのコントローラーのようなものは。
「これで、しんかい6500を操縦するんです」
えええ? これで?
これで、こんなに大きなものを動かすんですか?
「そうです。このスライダーで主推進器の出力を調整して、このダイヤルで水平スラスタを調整します」
主推進器とは、しんかい6500の後部に2つついたプロペラのことである。これが回れば回るほど、前へ進む。
機動性を高めるためにと2つになったのは、2012年3月。それまでは、中央に大きなものがひとつあった。ほかにも、しんかい6500には、完成時と比べて改良が加えられた部分がたくさんある。
1989年生まれのしんかい6500は、日々、変化を重ねているのだ。
「海の研究探検隊 JAMSTEC」最新記事
バックナンバー一覧へ- 番外編 ドラマ「海に降る」の撮影現場に潜入してみた
- 第2回 初物づくしのドラマ撮影
- 番外編 ドラマ「海に降る」の撮影現場に潜入してみた
- 第1回 JAMSTECがドラマになったって?!
- File8 巨大探査船「ちきゅう」を動かす3人の男
- 第4回 男たちは何故、ちきゅうに乗るのか
- 第3回 未到のマントルへ、三つの課題
- 第2回 「ちきゅう」、南海トラフで黒潮と闘う
- 第1回 「ちきゅう」は海底掘削工場だった!
- File7 深海生物研究者 藤原義弘
- 第3回 これまで見ていた深海は「ライオンのいないサバンナ」だった
- 第2回 深海生物はどうやって深海で暮らせるようになったのか
- 第1回 深海生物フォトグラファーの表の顔は
- File6 海の無人探査ロボット開発者 石橋正二郎
- 第3回 エンジニアは被告席に座らなければならない