File4 しんかい6500パイロットチーム
第1回 母船「よこすか」と潜水調査船「しんかい6500」
世界の深海に潜り、地球の成り立ちや生命の起源を探っている潜水調査船「しんかい6500」。その操縦、管理を担うパイロットチームに話をうかがいました。第1回はこの潜水艇の仕組みや動かし方と、母船である「よこすか」についてです。(写真:田中良知)
たいそう大きな船が、JAMSTEC横須賀本部の岸壁に着岸していた。船体に堂々と「よこすか YOKOSUKA」と記されている。
全長105.2メートル。
数字で表されるよりもずっと迫力がある大きさで、この船首から船尾まで、本気を出せば9秒くらいで着いてしまうウサイン・ボルトって本当に本当に速いんだなと思う。
ボルトの10分の1くらいの速度で走って回り込んで船尾を見ると、青い、大きな鉄の枠組みのようなものが存在感を示している。
その名は、A字クレーン。深海潜水調査船「しんかい6500」を海へ下ろしたり、逆に引き揚げたりするのに使う装置だ。
このよこすかは、しんかい6500の母船として造られた支援母船である。
2013年春現在、よこすかは、しんかい6500と共に世界の海を航海中。インド洋、大西洋(ブラジル沖、カリブ海)、太平洋(トンガ海溝、ケルマディック海溝)と回る、1年をかけての大航海だ。
母港横須賀へ、電池交換のためいったん戻ってくるのは8月。本格的な帰港は12月だ。
(画像クリックで拡大)
「海の研究探検隊 JAMSTEC」最新記事
バックナンバー一覧へ- 番外編 ドラマ「海に降る」の撮影現場に潜入してみた
- 第2回 初物づくしのドラマ撮影
- 番外編 ドラマ「海に降る」の撮影現場に潜入してみた
- 第1回 JAMSTECがドラマになったって?!
- File8 巨大探査船「ちきゅう」を動かす3人の男
- 第4回 男たちは何故、ちきゅうに乗るのか
- 第3回 未到のマントルへ、三つの課題
- 第2回 「ちきゅう」、南海トラフで黒潮と闘う
- 第1回 「ちきゅう」は海底掘削工場だった!
- File7 深海生物研究者 藤原義弘
- 第3回 これまで見ていた深海は「ライオンのいないサバンナ」だった
- 第2回 深海生物はどうやって深海で暮らせるようになったのか
- 第1回 深海生物フォトグラファーの表の顔は
- File6 海の無人探査ロボット開発者 石橋正二郎
- 第3回 エンジニアは被告席に座らなければならない