第29話 オリバー爺さんの珍食性、ナマタリアン

 そんな彼を見ていると、もしかして、この爺さんは、森の中で熊やオオカミに育てられたのではないか?と思った。

 そして、爺さんは言った。 

「卵の部分が、一番栄養があるんじゃよ。卵を食べれば、身の部分を食べる必要がない」

 ん……。
 どこかで聞いたセリフだぞ……。
 そうだ……、熊だ。

 もちろん、熊が言ったのではないが、これは熊の食性なのである。

 遡上する鮭を捕って食べる熊は、メスのお腹に入っている卵の部分、筋子しか食べないのだ。

 だから、身はポイ。
 オスは、見向きさえしないでポイ。
 必死に捕ってオスだったら、「ちぇ」という顔をして、ポイなのである。

 冬の間、何も食べずに冬眠しなければならない熊にとっては、鮭の卵は、脂肪も栄養も豊富に含まれていて、効率的に体をつくることができる。

 オリバー爺さんは更に言った。