それを実験しているのが、JAMSTEC 海洋工学センターの吉田弘さんだという。

「測量の技術は作りつつあって、でも『で、何の役に立つの?』と言われていたみたいです。だけど、僕はそれを聞いた瞬間に『これこれこれ!』と。100メートル先の動きを、0.1ミリの精度で検知できる。これをたとえば1000対作ることができて、海底に設置できれば、間違いなく、設置した領域全体の動きを測れます」

 すごい、すごい。早く設置しましょうよ。

「でも、その装置を1対作るのにも、1000万円くらいのお金がかかるんですよね。たくさん作って、1対あたり80万円くらいまで安くなればと思うんですが」

 そうか。
 そもそも「破壊のサインが出される時間は思っているより長いよ」ということを、証明する実験を始めたところでしたね。
 その日が来たら、まずはどこへ設置しますか。

「南海トラフでしょう。でも、早く実現できるのであれば、今も動いている東北に置きたいですね」

 そこまで言って、阪口さんは語気を強めた。

「これは、JAMSTECにしかできないことです」

 確かにそうですね。
 
 ところで、JAMSTECに所属する前、阪口さんは、JAMSTECをどう見ていたんですか。

「極めて怪しい組織だと思っていましたね」

粒々シミュレーション動画(6)
建物に津波が襲う様子(提供:JAMSTEC/阪口秀)

粒々シミュレーション動画(7)
火山噴火での粒子の動き(提供:JAMSTEC/阪口秀)

この連載の前回の
記事を見る

この連載の次の
記事を見る