「地震予知はできないというのが定説です。断層の破壊がいつどこで起こるかは、誰にもわかりませんから。地震学者は、観測データと過去の経験値に基づいて『そろそろひずみが溜まっている』というアプローチをとっています。でも、僕の考え方だと、『今、こういうサインが出ているので、次はこういうことが起きますよ』と言えます」

 なるほど。
 どうやったら、そのサインが出ていることがわかるんですか?

「GPSでの計測では、精度が足りません」

 ということは、無理?

「それが、JAMSTECには、サインをとらえる技術があるんですよ」

 あるんですか!

レーザーでサインをとらえる


「地上で距離を正確に測るときには、レーザー測量を使いますよね。レーザー光を出して、遠くの反射板に当てて、光が戻ってくるまでの時間で、距離を決定する」

 はい、ときどき、測っているところを見ます。

レーザー式海中距離測定システムの送信機と受信機。JAMSTEC 海洋工学センターの吉田弘さんが開発した(提供:JAMSTEC)(写真クリックで拡大)

「アメリカのNASAでは、この原理を使って地球と月の距離をミリメートルの精度で測定してますよね。JAMSTECには、そのレーザー測量を、海中でやっている人がいるんです」

 海中で?
 海中にはいろいろと、レーザー光を遮るような邪魔がありませんか?

「浮遊物がある海中では使えないというのが、業界では超・常識です。でも、深海となると話が別です。温度などの環境の変化が小さい上に、動き回る生物も非常に少ない世界ですから」

 そうか!

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