「地震というのは、断層破壊現象です。強く圧縮された地殻がおしあいへしあいをしていて、あるときにバリッと破壊する。その、1年間に数センチというおしあいへしあいを細かく見ていれば、不規則な動きになる時期が必ずあるはずなんです」

 破壊の前のその不規則な動きの時間って、どれくらいの長さなんですか?

「めっちゃ短い時間です。均質な岩石サンプルで言えば、破壊自体は数ミリ秒以内、この前兆現象はもうちょっと長いでしょうが、1秒以内であることは間違いありません。ほんの一瞬でしょう」

京都大で実証実験


 首をひねる取材陣。
 ということは、仮に「あ!不規則になった!」と見つけることができたとしても、「あ!ふ」あたりで地震が発生してしまうのでは……。

(写真クリックで拡大)

「意味ないんじゃないかってことですよね。確かに、1秒前にわかっても意味はない。でも、岩石の破壊の前の、不規則な動きの時間が1秒で終わるのは、破壊のサイズが小さいからです。サイズが大きくなると、時間のスケールも大きくなるんです。破壊にも、その前の不規則な動きにも、時間がかかります。それは計算ではわかっていることなんです」

 なんと、そうだったのか!

「でも、そう言っても、信じない人が9割5分くらい(笑)。だから、証明するための実験を、今、京都大学で進めています。結果は2013年中に出ます」

 JAMSTECにはその装置を設置する場所がないため、京都大学に協力を仰いだという。
 ローラーコンベア上を動く大きな箱に入った砂層を使ってプレートの動きを再現し、高速カメラで撮影をしている。この実験は、100億粒子ほどが必要になるシミュレーションと並行で進めている。

「1秒が、数秒、数分に伸びても意味がありません。でも、何時間という単位で不規則な動きというサインを出してくれれば、役に立ちます」

 たしかに、地震が1時間以上前に予知できれば、その間にできることはたくさんありそうですね。

プレート動作の再現実験
地震直前の「粒々の不規則な動き」を検証する(提供:阪口秀/JAMSTEC)

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