File3 JAMSTECの稼ぎ頭 阪口秀

第3回 地震の前のサインを読む!

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 怪しい?

「予算の規模が尋常じゃない。有力国立大学1校まるまると同等の予算規模なんですよ。船の運航に金がかかるのはわかりますが、でも、大学に比べれば研究者の数は少ないし、研究成果も多くない。どこへ金を使ってるんだろうと思いました」

心臓発作で入院したら・・・


 その“極めて怪しい組織”に加入したのは、オーストラリアからの帰国後、東京大学の地震研究所にいたときに、たまたま所属先の長とJAMSTECを兼任していた深尾良夫氏(その後の地球内部変動研究センター長)に「今度、JAMSTECにポストができるよ」と聞かされたのがきっかけだった。

「そのときも僕は『あそこ、怪しいですよね』と言ったし 地震研究所の仲間も『怪しい、怪しい』と(笑)。でも、周りに聞いてみても、JAMSTECのことは何だかやっぱりわからなかったけど、深尾先生だけは絶対的に信頼できる研究者だと。だから来たんです。なんてことを言うから、組織から見ると、僕は嫌な奴だろうと思いますよ」

 いやいや、嫌な奴なんてことないと思いますけど、でも、そうお考えになるのは、なぜですか?

「今となっては笑い話ですが、通勤手当事件。数年前に心臓発作を起こして、救急車で病院に運ばれて入院したことがあったんですよ」

 心臓発作! 笑い話じゃないですよ。

「その後しばらく入院して職場復帰したら、翌月の給料から通勤手当が勝手に引かれていました」

 ん? どういうことですか?

「そう思うでしょう? 人事課に説明を求めると、しばらく出勤していなかったので、規定に従って、欠勤を開始した前日に通勤定期を解約したものと仮定して精算させてもらったと」

 そんな……。

「そんな馬鹿な!と思いましたよ。このルールに従うと、『自分は明日倒れて入院・長期療養する』と予言できることを前提にしているのであって、つまり、物理的に不可能な状況設定で規定が作られている、ということになる」

 確かに。なる。なりますね。

「『これはおかしいのでは?』と思い、個人で担当部署と交渉しました」

 どうでした?