第28話 出たあ~! ワニ顔の怪魚!

 しかしながら、パイクは、こんな奴ではあるけれど、身はあっさりとした白身で、ぷりぷりとして、臭みもなく、サーモンやハリバットに負けないくらい、素晴らしく美味しい魚である。

 白身好きの私にとっては、サーモンよりも目がない。

 この日は大漁で、パイクが5匹と、ホワイトフィッシュ、バーボットの他、私にはよく分からない、サッカーと呼ばれるおちょぼ口の魚などが捕れた。

 捕れた魚たちを持って帰ると、さっそくスティーブと一緒に、身をさばくことにした。
 切り落とした頭は、橇犬たちのドロドロスープの中に入れて、犬たちのご馳走になる。

 パイクが白い切り身になっていくと、私にはそれが、ヒラメやタイの切り身のように見えてきて、ますます、想像がふくらんだ。

 刺身で食べたい……。

 日本人なら、誰もがそう思うだろう。けれど、湖の魚は生はやめたほうがいい。

「ああ、早く食べたい……」

 思わず漏れるように呟いた私に、スティーブが言った。