ミンチュミナ湖にそそぎ込む小さな川を、リバーボートで遡ることになった。
目的は、ムースハンティングの下見である。
長い冬を乗り切るには、どうしても必要なムースの肉。
スティーブの一家にとっても、いずれ帰ってくるトーニャにとっても、しばらくここでお世話になる私にとっても、不可欠な冬の食材だ。
リバーボートは、湖をひた走ると、細い川に入っていった。
河口付近では、葉を落とした高い木の上に、2羽の白頭鷲(はくとうわし)がとまっている。
なんと雄々しい姿だろう。
こういう風景を見ると、アラスカに来ていることをしみじみと感じる。