第3回 雪国の冬を安全、快適に過ごすために

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「──私の場合、防災のためという気持ちを持っているのは当然として、雪に対して何か不思議な魅力も感じているんです。なんだか非常に感傷的な話なんですが、冬には雪で何もかも覆い尽くされていたのが、春になってだんだん日差しが強くなって気温が上がってきて、雪が融けて地面が見えるという感触。子供の頃、ものすごく感動してたんですよね。ほんと嬉しかったんですよ。青空が出て、茶色い土が見えてきたっていうと、やっぱりワクワクするし。雪が降って融けて春が来るということが、生きていく上で一つの感動を与えてくれることであると……」

 雪国に住む喜び、というと言い過ぎかもしれないが、少なくとも魂に刻印されるような、「春の喜び」を佐藤さんは語っているわけだ。

 冬の豪雪ばかり見ていると、なぜこんなところに住み続けるのか疑問に感じることもあると思うのだが(それを言うなら、海外の人は、これだけ地震と火山活動だらけの日本に住む我々を不思議な目で見ていると感じることがあるのだが)、当然ながら雪国にはそれを補うメリットもある。

「雪の多い地域は、干ばつがまずないです。山に積もった雪がゆっくりゆっくり融けて潤してくれる。そういう恵みもあるわけですよね。米作りに最も適してる地域でもあるんです。それに対して冬のつらさをがまんするデメリットもあるわけですね。冬が辛いからといって、みんなが逃げ出したらどうなるのかなという気もします。いろんな所に人が住んで、その土地に適したことをする。とても、大事なことだと思うんです」