その仮説、ストーリーは、Ultramafics(超マフィック岩)―Hydrothermalism(熱水活動)―Hydrogenogenesis(水素生成)―HyperSLiME(ハイパースライム=微生物生態系)という繋がり(Linkage)として表現できた。これを短縮してUltraH3 Linkage。現在の地球におけるUltraH3 Linkageは、沖野さんの情報によれば、インド洋のかいれいフィールドで検証できる可能性があった。熊谷さんが中心になってフィールドワークを展開することになった。

ボクの中で、ここまでのストーリーは作戦会議までにかなり出来上がっていたモノだった。そして、ここからがこの作戦会議の本番だった。熊谷さんにチラリと聞いていたことをもう一度しっかり確認する必要があった。

「熊谷さん、鈴木さん、中村君に、正直なところをお聞きしたい。40億年前の海洋底に超マフィック岩は現在の地球より豊富にあったと間違いなく言えますか? もっと言えば、超マフィック岩に支えられた深海熱水活動が今とは比べ物にならないくらいたくさん存在していたと言えますか? それに確信が持てそうなら、ボクはこの仮説検証研究は間違いなく世界を奪れると思うんです」

この質問を投げかけた時、熊谷さんと鈴木さんは顔を見合わせて、
「コマチアイトなら間違いなくあったよね」とうなずきあった。

「コマチアイトは超マフィック岩と言い切っていいですよね?」とボク。

「カンラン石の含有量から考えて超マフィック岩と言えます」熊谷・鈴木。

「よっしゃー。で、コマチアイトがどれぐらいの頻度で海洋底に分布していたかは分かっているんですか?」とボクが尋ねたとき、中村謙太郎君が口を開いた。

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