第2回 日本の半分が大雪になるわけ

「まず大前提として……雪というのは雲の中で非常に小さい氷の粒ができるところから始まります。氷晶といいます。最初に氷晶ができたとき、まわりにあるのは、ほとんど水滴(雲粒)なんですね。気温が0℃以下でも過冷却状態で凍っていない状態。ところが、氷と水が混在する状態では、水滴の方から水が水蒸気になって、氷晶に凍ってくっついていく──昇華凝結(しょうかぎょうけつ)っていいますけど、そういう現象が起きるんです。そうやって、雪の結晶が成長していきます」

 こういう話を聞くと、冬に起きる季節的なものと考えてしまうが、実はこの過程自体、冬だけでなく夏も、さらには、豪雪地帯だけでなく非豪雪地帯でも普通に起こっていることだという。よほど南にいくと「暖かい雨」といって、高空で雨粒が最初から水滴のまま成長する場合もあるが、日本では地上レベルで雨の場合も、最初雲の中で大きくなる時点では、たいてい雪だそうだ。

「落ちてくる最中に気温が高いと融けて雨になるし、融けないで落ちてくるのが雪で、半分融けているのがみぞれ。雲の中で起きていること自体はすべて同じなんです。では、その雲ができるためにはどういう条件が必要か。冬に大陸からの季節風が吹くと、日本海の水温は相対的に高いですから、どんどん海面から蒸発して水分が供給されます。非常に湿った空気が押し寄せてきて、その中で対流も活発になるので、雪を降らせるような雲になるというのが基本ですね。その条件が一番備わるのが、冬型の気圧配置、いわゆる西高東低で、北西の季節風が強く吹く状況です。山岳部で大雪になりやすいです」

 これはぼくが最初にイメージしていたことに近い山雪だ。では、平野部の雪はどうなのだろうか。