第26話 涙の味? ライチョウを食す。

 冬になって羽の色が変わらないかぎり、私のような素人には、到底見分けがつかない。アラスカの人でさえ、呼び名がごっちゃになっている人も多いくらいだ。

 だからはっきりとは分からないが、スティーブの彼女が仕留めてきた鳥は、おそらく、グラウスの種類(白くならないライチョウの方ね)。

 北米に広く分布するエリマキライチョウという種で、北海道のエゾライチョウと近縁だ。

 ライチョウというよりも、キジやウズラのようなイメージが強く、雪のように白く美しいターミガンに比べると、どこか狩猟に対する罪悪感も少なくなるのは、否めない。

 しかしながら、ニホンライチョウの生息地、立山連峰を望みながら、小さな頃から「らいちょう」「らいちょう」と言って親しみ、“県鳥”として、愛し慈しむことを刷り込まれてきた富山県民の私にとっては、どんな種類であれ、どこのお生まれのライチョウさんであれ、ライチョウは「らいちょう」なのである。

 ライチョウという名のつくもの全てを愛し、食べるなど、もってのほか!……なのであった。

 それに、ライチョウ類は、羽毛がふかふかとしていて、太って見えるのだけれど、実は体がとても小さく、さばいても胸の部分の肉しか取れない。だから、

「たったひと握りもない胸肉のために、命を奪うなんて……」

 と、ライチョウ類のハンティングに賛成しない人たちも多く、私もまた、同じ考えを持っていたのだ。