肥満は簡単になれる

 それにしてもアメリカ人のこうした超デブはなぜ増え続けていくのだろうか。アメリカの街を歩いていると背中の皮膚の内側に布団を背負ったような超デブのおばちゃんがのっしのっしと人間ばなれした横揺れ状態で必死に前進していくのをみると「なんでこんなにまでなる前にこれじゃヤバイ!ということに気がつかなかったのだろうか」という素朴な疑問をもつ。ソファの繊維と一体化してしまった女性についてもそういう疑問をもつ。

『あなたは、なぜ太ってしまうのか? 肥満が世界を滅ぼす!』(バリー・ポプキン著、古賀林幸訳・朝日新聞出版)はアメリカ人、中国人、ロシア人、ブラジル人、フィリピン人などの生活ぶりや食生活の変遷を長期にわたって研究してきた結果を分析している。

 ある項目で、それぞれの国の人が、たとえば食事をとるのにどのような労働(食物を得る労働、作る労働)を必要としたか、ということを過去と現在で比べている。

 国によってそのスケールや内容に大きな幅はあるものの、たとえばこの50年でどの国もそうした労働軽減のための家電製品の導入や、軽便化された環境的な労働改善(水くみなど)が進んできた。同時に食べるものの変化が劇的に進んだ。

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