第25話 なんたって冬は、ビタミン不足が問題である

 その野菜たちを、ひとまずロッジの日の当たる場所に安置すると、トマトだけでも赤くなることを願って手を合わせた。

「お願い、生き返って!」

 冗談ではなくて、必死である。

 当分、ビタミン類は、この3種類の野菜で補うことになるのだ。

 実は、倉庫には缶詰や瓶詰めなどの食材のほかに、ビタミン剤もかなりの量でストックされている。

 しかし、私はビタミン剤を飲むのが好きではなかった。

 しかも、アメリカ製の錠剤というのは、金時豆よりも大きく、絵の具のような色をしていて、アメリカ人の感性を疑うような作りになっている。

 そんな錠剤を嫌々飲むと、大抵は喉の壁にぴったりとくっついて、食道の真ん中でつまってしまうのだ。

 だからやはり、ビタミン剤は飲みたくない。栄養は、食べ物で摂取したい。

 冬も深まれば、ここの生活は、かなりのビタミン不足に陥ることになるだろう。

 冬の日照不足もあって、ビタミンDの欠乏障害も気をつけなければならない。

 これは、いつも以上に貪欲にビタミン類を取らなければ、病院もないこの原野で倒れてしまうことにもなるのだ。

 まったく、大げさなことではない。

 そんなとき、スティーブの彼女が嬉しそうな顔をして、私のところにやってきた。

「見て見て」

「なになに?」