第25話 なんたって冬は、ビタミン不足が問題である

 よく考えると……、切実な問題である。

 地下倉庫には、大量の缶詰とビン詰め、それと箱ごと購入したチョコレートやクッキーが、お店を出して売るほどに積まれてある。
(もちろんお店を出すほど、ここには人口がないのだが……)

 たぶんここは、世紀末のシェルター並みの保存食を貯蔵していて、毎日、なにかしら食べるものはある。

 しかし、野菜や果物といったような新鮮なものが、まったくないのである。

「そう言えばね、夏の間トーニャは畑をしていたから、少しは野菜があるよ」

 と言うスティーブの言葉を聞いて、さっそくロッジ裏の温室に行ってみると、野菜たちは、このところの朝霜と低気温、日照不足にやられて、すでに萎えていた。

 トマトは多くの実をつけているけれど、どれも赤くなりきれずに、緑のまま成長が止まっていた。

 あ~、もうダメか~と思っていると、
「あー、その緑トマトも、大切な野菜だからね~。摘んでおいてくれる~?」
 と、遠くからスティーブの声が聞こえてきた。