数日後、沖野さんからメールが来て、「かいれいフィールドから西へ15km程離れた地形的な高まりが、地殻深部から上部マントルが引きずり出された構造、つまりカンラン岩の固まり、である可能性が高い」というアイデアが書いてあった。

「キタタタタタ←(゜Д゜,,)→タタタタタァ」。

しかし、喜ぶのはまだ早かった。沖野さんはかなりインド洋かいれいフィールド周辺の超マフィック岩ハンティングに興味を持ってくれたようだったが、今一歩、ボクの事を「ウサン臭い関西人」という目で見ているのを、ヒシヒシと肌で感じていたのだ。

他分野の研究者の場合、その人の研究内容や研究履歴がまずよくわからないし、交流の機会も少ないので、どうしても会って話した時の表面的なイメージで判断してしまいがちである。

京都大学出身なのに関西人ノリを寄せ付けないとはどういうことだと憤りを感じながらも、「博士学生の子と姉妹って言われちゃった♡きゃぴ」という彼女のセルフボケに乗じてキョンキョンと呼んでみたら、しばらく沖野さんに無視の刑を食らった身としては、対沖野戦略に慎重になるのは無理もなかった。

これからの地球科学は分野横断が鍵よ!

それから1ヶ月ぐらい後だっただろうか。JAMSTECで、ボクが所属している生物系の研究グループではなくて、岩石や固体地球を研究しているグループのセミナーで発表する機会が訪れた。

そこでもボクは、世界熱水微生物生態系制覇だけでなく、「インド洋かいれいフィールドにはカンラン岩が必要なのだ。異論は認めない」説を熱く語り、仕入れたばかりの沖野説にも言及した。セミナー終了後、一人の軍事オタク風の男が近寄ってきた。

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