第4回 新生リビア再建はこれからが正念場
内戦状態の間、子どもたちが外で遊べなかったから、子ども向けのイベントをやろうというボランティア団体もできましたが、僕はリビア人が、私利私欲ではなく自主的に、身の回りの問題の解決に取り組む姿を初めて見ました。
それがカダフィ政権崩壊直後に印象に残った、一番大きな変化でした。
――しかし、カダフィ打倒のいわば革命勢力によって生まれた「国民議会」を中心とした国の再建は、スムーズにいくのでしょうか。スレイマンさんが帰国した昨年7月に議会選挙が行われ、暫定政権が誕生していますが。
ある程度の知識層と話すと「再建には10年はかかる」といいますね。僕もそれくらいは見なければ、国としての体裁を取り戻せないと思います。
国会議員を200人選出したものの、間接民主主義がどういうものか、知らない国民も多いですから。選挙で何かを動かすには時間がかかります。
ただ、選挙の投票率は60%を上回りましたから、政治で生活を変えられるという期待感は、国民の間にあると思います。
――目下の最大の課題は何ですか。
治安ですね。治安が安定しないと、経済も政治も正常に機能しませんから。
――武装集団の問題ですね。