特別編 渡辺佑基「ペンギンカメラでついに大発見!」

 このようにビデオカメラと行動記録計の両方をペンギンにとりつけ、(1)ビデオで観察し、(2)ビデオと行動記録を照合し、(3)行動記録の全体からシグナルを検出する、という3段階を踏むことによって、ペンギンがいつ、なにを、どのくらい食べていたのかを初めて明らかにすることができた。

 この手法はペンギンに限らずいろいろな動物に応用が可能である。野生動物がどのような環境のもと、どんなエサをどれくらい食べていたかを調べることで、動物の生態をよりよく理解できるだけでなく、動物と環境との関わりをも明らかにすることができるだろう。私個人としては2013年のうちにホホジロザメやネズミザメなどの獰猛なサメの調査を予定している。サメがぐいぐい泳いで獲物を追いかけては捕える様子をサメ自身の視点から撮影する――そんなエキサイティングな映像を近いうちにきっとお見せできると思う。

(撮影:渡辺佑基/協力:ニコンイメージングジャパン)(写真クリックで拡大)

つづく!

渡辺佑基

渡辺佑基(わたなべ・ゆうき)

1978年、岐阜県生まれ。国立極地研究所生物圏研究グループ助教。世界の極地を飛び回り、データロガーを駆使して主に極域に生息する大型捕食動物の生理生態および種間比較を研究している。2011年「動物の泳ぐ速さを決めるサイズ効果を発見」(J. Anim. Ecol. 80, 57-68 (2011))が『Nature』の「News&Views」に紹介された。同年、学術分野全般で優れた実績を積み上げた人に贈られる山崎賞を受賞。

田邊優貴子

田邊優貴子(たなべ・ゆきこ)

1978年、青森市生まれ。2006年京都大学大学院博士課程退学後、2008年総合研究大学院大学博士課程修了。現在は、早稲田大学 高等研究所・助教。植物生理生態学者。博士(理学)。
小学生の頃から極北の地に憧れを抱き、大学4年生のときには真冬のアラスカ・ブルックス山脈麓のエスキモーの村で過ごした。それ以後もアラスカを訪れ、「人工の光合成システム」の研究者から、極地をフィールドにする研究者に転身する。
2007~2008年に第49次日本南極地域観測隊、2009~2010年に第51次隊に、2011~2012年に第53次隊に参加。2010年夏、2013年夏に北極・スバールバル諸島で野外調査を行うなど、極地を舞台に生態系の研究をしている。
ポプラビーチでエッセイ「すてきな 地球の果て」連載中
http://www.poplarbeech.com/chikyunohate/005708.html