モハベ宇宙港の次には、パサデナを訪れた。さらに駆け足でスケッチしておく。

 1960年代生まれのぼくの世代では、おそらくバイキング計画(1号、2号とも1976年に火星に探査機が着陸)による火星探査の印象を幼年・少年期に持っていて、なんとなく火星への憧憬を抱いている人がいる。ぼく自身もそうだ。人によっては、1970年代後半から1980年代にかけて、ボイジャー計画の惑星探査機が木星・土星・天王星・海王星の近傍を次々と通過した「グランドツアー」の方が印象深かったという人もいる。

MDA。(写真クリックで拡大)

 いずれも、計画の背後にある研究所の名前があった。カリフォルニア州パサデナにある、JPL、ジェット推進研究所だ。NASAの1機関で、主に無人惑星探査機の開発や運用に従事してきた。民間での宇宙開発が一般的になってきた21世紀の今、JPLが関わってきた惑星探査の民間委託も進んでいる。パサデナに拠点を置く宇宙ベンチャーの創業者から紹介される形で、火星関連の計画に参加しているふたつの企業を訪ねた。

 ひとつめは、MDA US Systems LLC。LLC(有限責任会社)というあり方でも垣間見えるように、小規模だ。フルタイムの従業員は60人程度。2006年に同規模の宇宙ベンチャーが合併して今の形になったのだが、その前から火星探査機用のロボットアームを提供している。例によって「1つ屋根の下」のこじんまりしたガレージ企業でもある。

2013年1月号特集「果てなき宇宙への夢」
本誌では民間企業が参加する新次元の宇宙開発についてレポートしています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。ぜひあわせてご覧ください。

この連載の前回の
記事を見る