高橋有希さんの話は、ぼくには実に刺激的だった。南極点に望遠鏡を設置して4回・10カ月にわたって滞在した物理学の学生時代、卒業後、民間宇宙企業のトップランナー、スペースX社の航空電子工学部門のエンジニアとしてドラゴン宇宙船を国際宇宙ステーションに送り込み、さらに現在も創業間もない宇宙ベンチャーで働いていること。いずれ民間宇宙飛行士になりたい、というのも充分なリアリティを感じられる。少なくともぼくはそう感じた。

 インタビューの内容、さらに「行間」から、我々が日本で見上げている「宇宙」と、米国の「ニュースペース」の分野から見上げる「宇宙」はかなり違うのではないか、ということが伝わったならよい。ぼく自身、大いに触発されるものがあり、高橋さんと会った後、米国初(ということは、世界でもたぶん初)の民間宇宙機が宇宙飛行を達成したカリフォルニア州モハベと、NASAのジェット推進研究所(JPL)のお膝元で宇宙関連企業が多いパサデナなどを訪ねた。宇宙ベンチャーは研究開発を行う企業だから当然秘密主義のところが多いのだが、いくつか快く取材させてくれたので、簡単に紹介させていただく。

なにはとれあれ、モハベ宇宙港について。

モハベ宇宙港。管制塔と事務所が入った建物。唯一の宇宙港内レストラン「ボイジャーカフェ」もここにある。(写真クリックで拡大)

2013年1月号特集「果てなき宇宙への夢」
本誌では民間企業が参加する新次元の宇宙開発についてレポートしています。フォトギャラリーもあるWebでの記事の紹介はこちら。ぜひあわせてご覧ください。

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