第6回 米国宇宙ベンチャー最新レポート モハベ宇宙港編

 モハベ宇宙港の古参のひとつXCOR社が取材を歓迎してくれた。

 この会社は、宇宙観光を第一の目的にした宇宙船リンクスを開発しており、きわめて近い将来、運用開始しようとしている。本格運用前の試験飛行がいつになるか、2013年の中頃でもおかしくない開発状況だという(しかし、航空宇宙系の開発は常に遅れるものだ。時期についての情報は参考程度に)。

XCOR社が制作したリンクスのアニメーション。※リンクスの映像は13秒ぐらいたったところから流れます。

 リンクスの見た目は、「スペースシャトル」みたいと感じる人が多いようだ。翼がしっかりとあるし、そのような感覚は分かる。ただ、リンクスはより小さく、飛行機のように水平に離着陸するので、違ったコンセプトだ。また、パイロット1人、観客1人のミニマム構成で、シャトルに比べたら巨象と蟻というのは大げさだが、大型トレーラーと軽自動車程度の差はある。

 また、リンクスはいわゆるサブオービタル機と言って、100キロメートル超の「宇宙」まで飛び出すものの、地球を周回せずにそのまま戻ってくる。スペースシャトルのように低軌道を周回するところまではいけない。エンジンも機体も完全に再使用可能な設計で、2時間ごとに1日4回までのフライトに対応できる。1度のフライトが終わると2時間で次フライトが可能ということで実現すれば、恐ろしく早いサイクルで「行って来い」できる宇宙機だということになる。

リンクスのフライト・プロファイル。(c)XCOR Aerospace / Mike Massee (画像クリックで拡大)

 飛行は、地上から3分あまりのロケット推進、4分40秒後くらいに100キロ超えの宇宙に到達し、その後、大気圏に再突入すると、そこからは飛行機(グライダー)としてゆっくり降りてくる。総飛行時間は30分ほどであり、無重力を楽しめるのは3分ほど。最大の加速度は再突入の時の4Gで、地上の絶叫系ジェットコースターよりもキツイ。目下、観光搭乗を9万5000ドルで売り出している。すでに予約も入っている。……等々。

 これらは、ネットでも手に入る予備知識だ。