第5回 ふたたび開かれた宇宙への扉

 さて、このような宇宙船三昧の日々を送った高橋さんは、「ニュースペース」「民間商業宇宙」と、NASAが直接取り仕切るような従来型の宇宙開発との違いをどう捉えているだろう。もちろん高橋さんにはNASAでの勤務経験はないわけだが、それでもやはり聞いてみたい。

「スペースXだと、実際に宇宙に行くドラゴンの部品なども、エンジニアが実物を自分の手で日常的に扱って実験してるんですね。NASAとか組織が大きくなると、実際に宇宙に行く物を使って毎日のように作業するのは結構難しいんじゃないでしょうかね」

 そして、高橋さん自身思い出し笑いをしつつ、とっておきの(?)話を聞かせてくれた。

「例えばの話だと思って聞いてください。地上と通信する無線機があったんですね。で、それは外からの電波、例えばスペースステーションからの電波による影響が大きくて問題がありました。でも、もうその無線機はドラゴン宇宙船に積んであって、それ自体を変えることはできない。だから僕たちはシールディング(遮蔽)を増すために、アルミホイルみたいな金属の箔を折り紙のように折って、ドラゴンの中に入って無線機の部品を包んだんです。それも打ち上げの結構間際に。もちろん、そうする前に実験室で本当に効果があるか、しっかりテストしたんですけどね」