「ちょーっと待って~」

 と、スティーブの手を止めたのには理由があった。

 実は私、長く白人の方々とお付き合いさせていただいた経験上、彼らの魚料理というものを、ほとんど信用していないのである。

 魚介類の食文化を、芸術のように花開かせている日本人にとっては、白人の方々の魚のさばき方や、食べ方など、「もったいない……」「雑……」「これでは、命たちが成仏できない……」と解せないことばかり。

 例えば、アラスカの沿岸部で、オヒョウ釣りや鮭釣りが夏のレジャーとして人気なのだが、そこで釣られた魚をさばいている様子を見たら、もう怒りが湧き起こってしかたがなかった。

 背中の身だけをざっくりととって、あとはポイと捨ててしまうのだ。

 鮭の筋子など、内臓と一緒にゴミ箱行きである。

 他にもまだある、私の怒りの魚事件簿……。

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