第22話 私の怒りの魚事件簿……。
一応料理好きの私は、そこそこ人に恥じない料理くらいは作れるつもりであるから、スティーブに代わって、魚たちが成仏できる美味しい姿に変えてあげたいのだ。
ところが――、
包丁を持つスティーブの手を見ると、意外と繊細な動きをしているのに気がついた。
そう言えば、スティーブはなんでも丁寧な仕事をする。
ミンチュミナの森や湖、川の恵みで育ってきた彼が、自然から与えられた恵みを、ぞんざいに扱うはずがない。
ここは、スティーブにお任せしよう。結局、私はそう思った。
彼のメニューは、ホワイトフィッシュとバーボット、キャットフィッシュのフライ。
あれ、ちょっと待って……、
やっぱり、フィッシュ&チップスに近い料理ではないか……。
大丈夫かな~。