第3回 ビッグバンはどうやって始まったのかを探しに

 宇宙が晴れ上がった時、人間にとっての可視光線が優勢だったというのは、すごく不思議なのだが、「そのときの温度が、大体数千度くらいで、たまたま太陽の表面の温度と同じくらいだからです」とのこと。

 とにかく宇宙の晴れ上がりの瞬間に飛び交ったのは可視光線の範囲のものが多く、それが1000倍に引き延ばされた今、光の波長も引き延ばされてちょうどミリ波、つまり波長数ミリの光(電磁波)として、宇宙空間に満ち満ちているのだという。まさに、宇宙背景輻射、である。

 では、高橋さんの南極点の望遠鏡は、ビッグバン直後にあったとされる急膨張「インフレーション」の直接証拠を得るために、何をどのように見つけようとしたのか。

「宇宙背景輻射(ミリ波)のBモード偏光を捉えようとしていました」と高橋さん。

 Bモード、そして偏光、とまたなにやら難しげなキーワードが出てきた。

 偏光については、気象観測で使われるMPレーダーの説明で、電磁波(光)には、垂直偏波、水平偏波というものがあって、それぞれ別に測定することで雨粒の大きさが分かったりする事例を紹介した。ここでも、偏光というのはだいたい同じと言える。