第3回 ビッグバンはどうやって始まったのかを探しに

 これまでこの連載でミリ波に触れた例としては、地上の極端気象について、防災科学技術研究所の真木雅之さんの回がある。その時、ミリ波を使って、雨粒の大きさを観測する最新のMP(マルチパラメータ)レーダなどを紹介していただいた。それが今度は、宇宙の観測に使われている。

 なぜ、ミリ波なのか。

「ビッグバンからの光は、今でも観測できるんです。それが、ミリ波の領域なんです」と高橋さん。

 ビッグバンの残響というか残光が今もあり、それがミリ波で観測できるということ。たぶんすごく謎めいた言明だと思う人が多いと思うので解説してもらう。

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「ビッグバンの後も、宇宙はしばらくすごく密度が高くて、温度も高い状態でした。それが膨張していって、だんだん冷えていったわけです。ある程度冷えると、宇宙に光が通るようになったんです。宇宙の晴れ上がり、と言われます。それまで、光子が自由電子と相互作用してしまって、遠くに飛べなかったんですね。それが、宇宙の温度が低くなって、電子と原子核がくっつくようになって、光子は邪魔されずに長距離を飛べるようになった。それが120~130億年くらい前。それから今までの間に、宇宙はさらに1000倍くらい膨張したとされます。晴れ上がりの時に可視光線だった光の波長も、その分引き延ばされて大体ミリ波、1ミリとか2ミリくらいのミリ波になったわけです。それを宇宙背景輻射(ふくしゃ)といいます」