第2回 「月の南極」から「地球の南極」へ

 話を聞いていて、南極点の隔離された環境で、限られた時間内に最大限の成果を挙げなければならないというのは、宇宙飛行士に似ていると気づいた。高橋さんは、この時すでに宇宙飛行士のシミュレーションをしていたのかもしれない。

 もっとも、「隔絶された」とはいえ、宇宙飛行士のように狭いところから出られないというのとは少し違う。望遠鏡は基地から1キロくらいのところに設置したので、いわば「通勤」が必要だったのだ。

「毎日、雪の上を歩いたり走ったりしましたよ。それと、クロスカントリーを南極で習って、その練習も含めてスキーでもよく行きました」とここでもかぎりなく南極生活を楽しんでいた様が垣間見える。

 なお、高橋さんが、「外」で作業をして設置しなければならなかった「部品」とはどういうものなのだろう。興味があったので聞いてみた。

望遠鏡と基地の間はよくスキーで往復した(これは基地でのトイレ清掃の当番だったので、仕事中一旦基地へ戻ったところを撮影)。(写真提供:高橋有希)
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