ドッグヤードに霜が下りて、無数の白いサークルが現れたのだ。

 犬たちは、真ん中に立てられた鉄の棒を中心につながれているために、行動範囲が円のようになっている。

 毎日歩き回って、そこが地面むき出しになり、霜がつきやすくなっていたのだ。

 まるで、1晩のうちに現れたミステリーサークルである。

 相変わらず私の姿を見つけるだけで、喜び過ぎというくらいに喜んで、飛び跳ねまくって、支柱を中心にクルクルと走り回っている犬たちの相手をしていると、ロッジからスティーブの呼ぶ声がした。

「電話だよ~」

 電話?

 私には、かけてくる相手も、かかってくる予定もないのだけれど……。

 不思議に思っていると、それはトーニャからだった。

 私がここに飛行機で到着した日に、その飛行機に乗って、去っていってしまったロッジのオーナーである。

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