朝、もの凄く冷え込んだ。
ベニヤ小屋の室内が冷え切って、被っている布団までも、肌にあたるだけで「ひゃ!」と声が出てしまうくらいに冷たくなっていた。
もじもじしながら、布団から出られずにいると、犬たちの雄たけびが聞こえはじめた。
まるで目覚まし時計のように、毎日、朝になると犬たちは遠吠えをはじめる。
今の犬たちの餌は、1日1食。
夕方がその時間であるから、朝早く起きても、腹が減ってしまうだけなので、もうちょっと寝ていなさいと思うのだけれど、犬たちというのは、朝っぱらから元気がいい。
気合を入れて布団から出て、いつもよりも地の厚いモコモコの防寒服を着る。
ベニヤ小屋を出て、ドッグヤードへの坂を下りて行くと、私は、その光景に目を見張った。
「おおお~。これは、見事な~」