第1回 世界初の民間商用宇宙船開発に携った日本人

 そこで、「米国の商業宇宙(コマーシャルスペース)」、あるいはキャッチフレーズのように語られる「新しい宇宙(ニュースペース)」についてリポートしたくなったわけだが、とっかかりによきガイド役になってくれる人はいないか。

 人づてで、かのスペースX社で働いている日本人エンジニアがいると聞き、話を伺いたくなった。名前を高橋有希(ゆうき)さんという。たぶん日本の宇宙関係者でも、名はそれほど知られていない。高校から米国留学し、そのまま日本の教育に戻ることなく、カリフォルニア大学バークレー校(UC・Berkeley)で物理学のPh.D(博士号)を取得、2011年にスペースX社に入社した。アメリカで教育を受け、そのまま米国企業へというルートだから、日本との接点は稀薄なようだ。

 メールでインタビューを申し込んだところ、「ちょうど、スペースXをやめたばかりです」とすぐに返事が来た。

 ああ、ちょっと遅かったか、とがっかりしたのだが、「やめたので、むしろ話しやすくなりました。新しい会社もできたばかりの宇宙ベンチャーですが、スペースX時代のことでよければ」とのこと。

スペースX社はカリフォルニア州ホーソーン、ロケットロードにある
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