第2回 「1人で準備できるなら」と父は言いました

――その様子を見て、ご両親は世界一周を認めてくれたのですか。

 母は反対こそしませんでしたが、喜んで応援するという感じではありませんでした。

 父は、本当に行くつもりならば、応援しようという姿勢でした。それからは、できるだけ安全に航海ができるように、いろいろなアドバイスや手助けをしてくれました。

――しかし、13歳の少女が、企画書づくりから1人でやるというのはすごいな。

 父に「自分で準備しなさい」といわれましたからね。少し意地を張っていたところもあったかもしれません(笑)

――スポンサーも獲得し、両親の了解も得られたのに、それですんなりと航海に出られたわけではありませんね。

 はい。オランダの児童保護局が「若すぎるし、航海の経験が浅い」という理由で、児童裁判所を通じて航海の禁止命令を出しました。

 それから航海の許可をめぐって、法廷で争うことになり、許可がおりるまでに10カ月もかかりました。

――大変なことになりましたね。では、その続きは次回に。

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つづく

ローラ・デッカー

1995年生まれ。海洋冒険家。オランダ人の父とドイツ人の母がヨットで世界旅行中にニュージーランドのファンガレイで生まれ、6歳からヨットの操船を始める。2010年8月に単独世界一周航海に向けて出発し、2012年1月に達成。同年、世界の冒険者や挑戦者を表彰する「ファウストA.G.アワード」のファウスト挑戦者賞を受賞している(授賞式の模様は http://www.faust-ag.jp/quest/quest027/story.php)。


高橋盛男(たかはし もりお)

1957年、新潟県生まれ。フリーランスライター。自動車専門誌の編集を手がけたのちフリーライターに。JR東日本新幹線車内誌「トランヴェール」、プレジデント社「プレジデント」「プレジデントファミリー」などに執筆。