第19話 徐々に近づく、焼き魚定食への確信!
いよいよ、待ちに待った網の引き上げである。
朝からスカッと晴れていて、相変わらず雄大なマウント・デナリの姿が映し出されているミンチュミナ湖に、リバーボートを進めていくと、遠くに刺し網に付けられている複数の浮き玉が見えてきた。
それは、洗濯洗剤の空容器で代用したもので、色とりどりにぷかぷかと揺らいでいる。
私はその光景を見ると、思わず、「おおお~」と唸るような感嘆の声をあげた。
アラスカ好きなら、誰もが憧れるマウント・デナリの勇姿の前に、悠々と洗濯洗剤の容器たちが、整然と列をなしながら浮かんでいるのである。
これは、なんとも面白い。